Excel活用術
ExcelとCSVファイルの効率的な連携方法
CSVファイルをExcelで開く方法
方法1: 直接ダブルクリック
最も簡単な方法ですが、文字コードや区切り文字が適切に認識されない場合があります。
メリット: 操作が簡単
デメリット: 文字化けや列の分割ミスが起こりやすい
方法2: データ取得機能を使用(推奨)
- Excelを起動
- 「データ」タブ → 「外部データの取得」→ 「テキストから」
- CSVファイルを選択
- テキストファイルウィザードで設定を調整
- 「完了」をクリック
メリット: 文字コードや区切り文字を正確に指定できる
方法3: Power Query(Excel 2016以降)
- 「データ」タブ → 「データの取得」→ 「ファイルから」→ 「テキスト/CSV」
- ファイルを選択
- プレビューで内容を確認
- 「変換」または「読み込み」をクリック
メリット: 高度なデータ変換機能、自動更新対応
ExcelからCSVを出力する方法
通常のCSV出力
- 「ファイル」→ 「名前を付けて保存」
- ファイル形式で「CSV(カンマ区切り)」選択
- 保存場所を指定して保存
注意: 文字コードはShift-JISになります
UTF-8 CSV出力
- 「ファイル」→ 「名前を付けて保存」
- ファイル形式で「CSV UTF-8(カンマ区切り)」選択
- 保存場所を指定して保存
推奨: 国際対応、Web利用に最適
複数シートがある場合の注意点
- CSVファイルには1つのシートのみ保存される
- アクティブな(現在選択中の)シートが対象
- 複数シートを出力したい場合は、それぞれ個別に保存が必要
データの整形・クリーニング
便利なExcel機能
重複の削除
「データ」タブ → 「重複の削除」
複数列を基準にした重複チェックも可能
データの並び替え
「データ」タブ → 「並び替え」
複数条件での詳細な並び替えが可能
オートフィルター
「データ」タブ → 「フィルター」
条件に合うデータのみを表示
区切り位置
「データ」タブ → 「区切り位置」
1つの列を複数列に分割
便利な関数
TRIM関数
余分なスペースを削除
=TRIM(A1)
SUBSTITUTE関数
特定の文字を置換
=SUBSTITUTE(A1,"古い文字","新しい文字")
CONCATENATE関数
複数セルの文字を結合
=CONCATENATE(A1,B1,C1)
よくある問題と対処法
問題: CSVを開くと数値が変換される
例: 電話番号「090-1234-5678」が「90123-45678」になる
対処法:
- 拡張子を.txtに変更してから開く
- テキストファイルウィザードで該当列を「文字列」に設定
- Power Queryを使用してデータ型を指定
問題: 先頭の0が消える
例: 商品コード「001234」が「1234」になる
対処法:
- 該当セルを選択し、書式を「文字列」に設定
- インポート時に列のデータ型を「文字列」に指定
- CSVで先頭にアポストロフィ(')を付ける
問題: 文字化けが発生
日本語が正しく表示されない
対処法:
- テキストファイルウィザードで文字コードを指定
- UTF-8のCSVファイルを作成
- CSVツールキットの文字コード変換機能を使用
高度な活用方法
VBAマクロでCSV処理
基本的なCSV読み込みマクロの例:
Sub ImportCSV()
Dim filePath As String
filePath = Application.GetOpenFilename("CSV Files,*.csv", , "CSVファイルを選択")
If filePath <> "False" Then
Workbooks.OpenText _
Filename:=filePath, _
DataType:=xlDelimited, _
TextQualifier:=xlTextQualifierDoubleQuote, _
Comma:=True, _
Local:=True
End If
End Sub
Power Query活用
複数CSVの結合
- フォルダ内の複数CSVを一括読み込み
- 自動的に結合処理
- 定期的な更新も可能
データ変換
- 列の分割・結合
- データ型の変換
- 条件による行のフィルタリング
外部データ接続
Excelは外部のCSVファイルへの接続を保持できます。
- 元ファイルが更新されると自動で反映
- 定期的な更新スケジュールの設定可能
- ネットワーク上のファイルにも対応
推奨ワークフロー
効率的なCSV処理フロー
1
データの確認
CSVファイルをテキストエディタで開いて構造を確認
2
適切な方法で読み込み
Power Queryまたはテキストファイルウィザードでインポート
3
データクリーニング
重複削除、データ型の修正、不要な文字の除去
4
分析・加工
必要な計算、集計、グラフ作成
5
適切な形式で出力
用途に応じてUTF-8 CSVまたは通常のCSVで保存