データ分析入門
CSVデータを使った基本的な統計分析手法
データ分析の基本
データ分析とは、収集されたデータから有意な情報やパターンを発見し、 意思決定に役立つ知見を得るプロセスです。
データ分析の4つのステップ
基本統計量
データの特徴を数値で要約する基本的な指標について学びましょう。
平均値(Mean)
すべての値の合計を個数で割った値。最も一般的な代表値。
平均値 = (値1 + 値2 + ... + 値n) ÷ n
使用例:
⚠️ 外れ値の影響を受けやすい
中央値(Median)
データを小さい順に並べた時の真ん中の値。外れ値に強い。
奇数個: 真ん中の値
偶数個: 中央2値の平均
使用例:
✅ 高額年収者の影響を受けない
最頻値(Mode)
最も頻繁に出現する値。カテゴリデータで特に有用。
複数の最頻値が存在する場合もある
使用例:
✅ 最も人気の商品を特定
標準偏差(Standard Deviation)
データのばらつき度合いを示す指標。値が大きいほどデータが散らばっている。
約68%のデータが平均±1σの範囲内
約95%のデータが平均±2σの範囲内
活用例:
データの分布分析
ヒストグラムと度数分布
データの分布形状を理解することで、データの特性や傾向を把握できます。
正規分布
• 釣鐘型の対称的な分布
• 平均値 = 中央値 = 最頻値
• 自然現象でよく見られる
歪んだ分布
• 左右非対称の分布
• 平均値 ≠ 中央値
• 外れ値の存在を示唆
四分位数とボックスプロット
四分位数の定義
- Q1(第1四分位数): 下位25%の境界
- Q2(第2四分位数): 中央値(50%)
- Q3(第3四分位数): 上位25%の境界
- IQR: Q3 - Q1(四分位範囲)
ボックスプロット
• 5つの要約統計量を視覚化
• 外れ値の検出に有効
• 複数グループの比較に便利
相関分析
2つの変数間の関係の強さと方向を測定する分析手法です。
正の相関
• 相関係数: 0 < r ≤ 1
• 一方が増えると他方も増える
• 例: 勉強時間と点数
負の相関
• 相関係数: -1 ≤ r < 0
• 一方が増えると他方が減る
• 例: 価格と需要量
無相関
• 相関係数: r ≈ 0
• 明確な関係が見られない
• 例: 身長と数学の点数
相関係数の解釈指針
|r| ≥ 0.7: 強い相関
0.4 ≤ |r| < 0.7: 中程度の相関
0.2 ≤ |r| < 0.4: 弱い相関
|r| < 0.2: ほぼ無相関
注意: 相関があっても因果関係があるとは限りません
CSVツールキットでの実践
CSVツールキットの機能を使って、実際にデータ分析を行う手順を説明します。
分析ワークフロー
1. データ品質チェック
「データ分析」タブで品質レポートを生成
- 欠損値・重複値・外れ値の確認
- データ型の整合性チェック
- 品質スコアの評価
2. データクリーニング
必要に応じて「重複削除」「日本語クリーニング」を実行
- 重複データの除去
- 文字種の統一
- 形式の正規化
3. 可視化・集計
「グラフ作成」タブでデータの分布や傾向を可視化
- カテゴリ別の集計
- 棒グラフ・円グラフでの可視化
- 上位項目の特定
4. 結果の活用
分析結果をレポートやプレゼンテーションに活用
- 統計レポートのダウンロード
- チャートデータの出力
- 改善提案の実施
実際の分析事例
事例1: 売上データ分析
データ
分析結果
事例2: 顧客年齢分析
データ
分析結果
事例3: 品質管理データ
データ
分析結果
分析スキルの向上
基本的なデータ分析を習得したら、さらに高度な分析手法に挑戦しましょう。
学習を継続するために
- 実際のデータで練習を重ねる
- 様々な業界・分野のデータに触れる
- 統計学の基礎知識を身につける
- データ可視化の技術を学ぶ
- 機械学習・AIの基礎を理解する